2024年10月10日
今月は、ドラッカーの話をしたいと思います。
”ピーター・F・ドラッカー”、経営学の巨人です。
ドラッカーは膨大な著作を遺していますが、主著を上げるなら『マネジメント』でしょう。
『マネジメント』の冒頭に出てくる言葉で、簡潔で含蓄のある力強い言葉です。
具体的にいえば、新規顧客の獲得、獲得した顧客の定着、潜在需要の掘り起こし、新市場の開拓などを
指すものと思いますが、それだけに留まらない、より深い意味の広がりを感じさせる言葉です。
私が初めてドラッカーを読んだのは、今から10年ほど前になりますが
そのとき覚えた感動は今も覚えています。
ドラッカーの尽きない魅力について、今後もお伝えしていきたいと思います。
2024年08月09日
松下幸之助さんは、多くの著作を遺されました。
その中で、最も良く読まれているのが『道をひらく』(PHP研究所)だと思います。『道を開く』に収録された一つ一つの文章は、見開き2頁の短い分量で書かれており、簡単に読み進めることができます。
『道をひらく』には、松下幸之助さんの経営人生を凝縮したと思われる、力強く、胸を打つ言葉があふれています。そのうち、私が好きな文章としては、「素直に生きる」「手さぐりの人生」「断を下す」「善かれと思って」「自問自答」「根気よく」「思い悩む」「心配またよし」「時を待つ心」「忍耐の徳」「ものの道理」「一陽来復」「芋を洗う」「体験の上に」などがありますが、いくら上げてもキリがありません。
「素直に生きる」には、このように書かれています。
「逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。」「素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境はうぬぼれを生む。」「逆境に素直に生き抜いてきた人、順境に素直に伸びてきた人、その道程は異なっても、同じ強さと正しさと聡明さを持つ。」
松下幸之助さんは、松下電器(現パナソニック)という世界的大企業を作り上げましたが、その経営者としての人生は、決して順風満帆のときばかりではありませんでした。倒産の危機に陥ったことも、一度や二度ではありません。長い経営者人生の中で体験した、順風のとき、逆境のときを振返りながら、その思いを、この文章に込めたのだと思います。
現在(2024年8月)は、会社経営にとって逆境のときといってよいかもしれません。
会社経営者として、この逆境のときを素直に生き抜くことが大切なときだと思います。
2023年11月10日
楽天グループの2023年1~9月期連結決算は、純損益が2,084億円の赤字となりました。
赤字の原因は携帯電話事業で、基地局整備の負担が大きく、携帯電話事業の営業損失は2,662億円とかなり大きな金額になりました。
対策として、KDDIの通信網を借りるローミングの契約見直しなどを行うようですが、そうすると今後10年間で約1万局の基地局が必要になります。
来年以降には社債の大量償還もあり資金繰りが心配されますが、三木谷社長は銀行の協力を得られているので大丈夫と言っています。
ただ悪いことばかりではなく、「最強プラン」の導入で解約数が減少し契約数は増加しているようです。「プラチナバンド」の割り当てを総務省から受けているので、今後のサービスに期待しましょう。
携帯電話事業という異業種参入には、当初から疑問視する声が多くありました。
三木谷社長は、携帯通信事業を3大キャリア(NTTドコモ,KDDI,ソフトバンク)が独占して閉鎖的になっている現状を打破しようと果敢に挑戦しました。
楽天グループは、ネット販売から金融事業まで拡大させ、安定した業績を確保していたにもかかわらずチャレンジしました。
一部の報道では、これだけの赤字を計上しながら、まだ強気な姿勢を崩さないと批判的な意見があるようですが、三木谷社長は、まだまだこれからだという思いがあり、事業を成功させるという信念があるからこれからも邁進していくでしょう。
「成功するまでやり続ける」という気持ちで、これからも頑張って欲しいと思います。
最近では、連日のようにコロナの影響でダメージを負った企業が、回復しきれずに倒産するニュースが報じられています。コロナの時期に借りたお金を返済していくのは大ですが、ぜひとも中小企業の経営者も、三木谷社長のように諦めず粘り強く生き残って欲しいと願います。
2021年01月10日
明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、健やかな新年をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
昨年は世界中に蔓延した新型コロナウイルスの影響で、生命をも脅かし、人類にとっては最も危機的な状況を作り出しました。
また、そのことによって大きな時代の変革を加速させ、今まで当たり前と思っていたことが当たり前でなくなり、日常の生活も大きく様変わりしました。
飲食店をはじめ多くの企業が厳しい経営を強いられています。
生き残る企業とは、『最も強いものではない。 最も知的なものでもない。 それは、変化に最もよく適応したものである』というダーウィンの言葉にあるように、このコロナ禍を嘆くより適応していく努力をしていかないといけないと思います。
ただ新しいことにチャレンジすることはいいことですが、無計画・無鉄砲にやれば自滅のおそれもあります。
不況になっても生き残る会社経営者は、「大したことはやっていないのですが」と言い、状況を悪化させる経営者は「いろいろやっているのですが上手くいかなくて」と口にします。
これは、本業という基本に徹した企業が生き残り、片や不安から新しいことを次々に打ち出すものの社員が達成への意欲を欠き、状況が悪化していくのが原因です。
先が見えない時代になってきましたが、いつの時代も世のため人のために尽くせる企業が生き残ります。
最後に、今年も皆様のますますのご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
2019年05月10日
今年のGWは過去に前例のない「最大10連休」となりました。(実際10日間すべて休めた人は22%だったようです)
連休中には新天皇即位で皇居には沢山の人が集まり、街では新元号を祝いお祭りムード一色で、郡上市では徹夜踊りなども開催されたようです。
また海外旅行にでかけた人も多く、10連休を満喫されたことでしょう。
その一方で、10連休は長すぎたという意見もあります。
休み中に行楽地に行くと交通渋滞もあり疲れて大変ということもありますが、出かければそれなりに支出を伴う、そんなに休みがあってもお金がもたない等々、人それぞれ思うところは違うようです。
地元しゃぶしゃぶ店「木曽路」は1950年の創業以来、年中無休でしたが5月7・8日の2日間、全店舗で一斉休業としました。
創業以来年中無休だったということに驚きましたが、働き方改革の一環としてということで、これも時代の流れなのでしょうか。
日本人は有給取得率も低く、働きすぎだとよく言われます。
今後は仕事の効率化をはかり、労働生産性を上げ長時間労働を是正していかないと選ばれ生き残る企業にはなれません。
「働き方改革」にどのように対応していくか、経営者の悩みはつきません。
西川 和志
税理士法人 森田経営
代表社員
昭和54年7月19日生
主な資格:税理士、弁護士