2025年03月18日
PM理論とは、経営者や管理職など組織のリーダーに求められる2つの側面に着目した理論です。
PMのうち「P」は、パフォーマンスという英語の頭文字を取ったもので、「目標達成機能」を意味します。
もう一つの「M」とはメインテナンスという英語の頭文字で、「組織維持機能」を意味します。
PM理論は、俗に「パパママ理論」とも呼ばれています。
「パパ(P)」のような厳しい父性と、「ママ(M)」のような優しい母性というイメージをもって貰うと、
この理論が分かりやすくなると思います。
PM理論では、このPとMの強弱により
(1)P機能もM機能も強い「PM型」
(2)P機能は強いがM機能は弱い「Pm型」
(3)P機能は弱いがM機能が強い「pM型」
(4)P機能もM機能も弱い「pm型」 の4つにリーダーを分類します。
このうち、P機能もM機能も強い(1)「PM型」が理想であることはいうまでもありません。
ただし、多くのリーダーは、その人の元々の資質としては、P機能かM機能どちらかが強くどちらかが弱い、(2)「Pm型」か(3)「pM型」であることが多いといえます。
(2)「Pm型」の場合、組織を力強く引っ張っていくことに長けていますが、一方で、内部への配慮に乏しく組織がギスギスするかもしれません。
一方の「(3)pM型」の場合、組織内の円滑な関係を築くことには長けていますが、一方で、組織として成果を上げていく力に乏しく、組織が伸び悩むということがあるかもしれません。
したがって、(2)「Pm型」の人も(3)「pM型」の人も、自分の強い側面を生かしつつ、弱い方の機能を意識的に強化して、(1)「PM型」を目指していくことが必要となります。
またPもMも弱い(4)「pm型」の人であれば、努力してPもMも強くしていかなければならないでしょう。
会社の創業者の方は、自分でゼロから組織を立ち上げるのですから、P機能が強い(2)「Pm型」の人が多いように思います。
また、後継者の人には、P機能が強い人もM機能が強い人もいるでしょうが、「守成は創業より難し」という言葉からしても、M機能が強いことが有利に働く場面も少なくないと思います。
私としては、このPM理論は、リーダーの立場にある人、あるいは将来リーダーの立場に立とうとする人たちが、自分自身を見つめるための手段として使うのが、良い使い方だと考えています。
つまり、自分は、P機能が強いのかM機能が強いのかを考え、強い機能をさらに伸ばしつつ、弱い方の機能はより一層自覚的に伸ばしていくことが必要であり、それによって、理想である(1)「PM型」に到達することができると思います。
「PM理論」を意識することは、リーダーとしての自分を成長させるきっかけとなるのではないでしょうか。
2025年01月10日
明けましておめでとうございます。
この一年が皆様にとって幸多い年となりますよう祈念いたします。
さて、皆様「日に新た」という言葉をご存知でしょうか。
古代中国の殷王朝の創始者である湯王(とうおう)が、座右の銘としていた言葉とされています。
原文は「まことに日に新たなり、日に日に新たにして、また日に新たなり」というものです。
言葉の連なり自体が、躍動感をもって迫ってくるように感じます。
松下幸之助や土光敏夫、渋沢栄一といった経営者も、この言葉を好んで良く用いていました。
昨日よりも今日はより良くなろう。明日はさらに成長しよう。より良く会社を発展させていこう。
日々新たな気持ちで、新たな日を迎えたい。
このような、すがすがしい気持ち、がんばろうという気持ちにさせてくれる言葉です。
これから始まる1年を「日に新た」の心構えで過ごしていきたいと思います。
2024年10月10日
今月は、ドラッカーの話をしたいと思います。
”ピーター・F・ドラッカー”、経営学の巨人です。
ドラッカーは膨大な著作を遺していますが、主著を上げるなら『マネジメント』でしょう。
『マネジメント』の冒頭に出てくる言葉で、簡潔で含蓄のある力強い言葉です。
具体的にいえば、新規顧客の獲得、獲得した顧客の定着、潜在需要の掘り起こし、新市場の開拓などを
指すものと思いますが、それだけに留まらない、より深い意味の広がりを感じさせる言葉です。
私が初めてドラッカーを読んだのは、今から10年ほど前になりますが
そのとき覚えた感動は今も覚えています。
ドラッカーの尽きない魅力について、今後もお伝えしていきたいと思います。
2024年08月09日
松下幸之助さんは、多くの著作を遺されました。
その中で、最も良く読まれているのが『道をひらく』(PHP研究所)だと思います。『道を開く』に収録された一つ一つの文章は、見開き2頁の短い分量で書かれており、簡単に読み進めることができます。
『道をひらく』には、松下幸之助さんの経営人生を凝縮したと思われる、力強く、胸を打つ言葉があふれています。そのうち、私が好きな文章としては、「素直に生きる」「手さぐりの人生」「断を下す」「善かれと思って」「自問自答」「根気よく」「思い悩む」「心配またよし」「時を待つ心」「忍耐の徳」「ものの道理」「一陽来復」「芋を洗う」「体験の上に」などがありますが、いくら上げてもキリがありません。
「素直に生きる」には、このように書かれています。
「逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。」「素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境はうぬぼれを生む。」「逆境に素直に生き抜いてきた人、順境に素直に伸びてきた人、その道程は異なっても、同じ強さと正しさと聡明さを持つ。」
松下幸之助さんは、松下電器(現パナソニック)という世界的大企業を作り上げましたが、その経営者としての人生は、決して順風満帆のときばかりではありませんでした。倒産の危機に陥ったことも、一度や二度ではありません。長い経営者人生の中で体験した、順風のとき、逆境のときを振返りながら、その思いを、この文章に込めたのだと思います。
現在(2024年8月)は、会社経営にとって逆境のときといってよいかもしれません。
会社経営者として、この逆境のときを素直に生き抜くことが大切なときだと思います。
2023年11月10日
楽天グループの2023年1~9月期連結決算は、純損益が2,084億円の赤字となりました。
赤字の原因は携帯電話事業で、基地局整備の負担が大きく、携帯電話事業の営業損失は2,662億円とかなり大きな金額になりました。
対策として、KDDIの通信網を借りるローミングの契約見直しなどを行うようですが、そうすると今後10年間で約1万局の基地局が必要になります。
来年以降には社債の大量償還もあり資金繰りが心配されますが、三木谷社長は銀行の協力を得られているので大丈夫と言っています。
ただ悪いことばかりではなく、「最強プラン」の導入で解約数が減少し契約数は増加しているようです。「プラチナバンド」の割り当てを総務省から受けているので、今後のサービスに期待しましょう。
携帯電話事業という異業種参入には、当初から疑問視する声が多くありました。
三木谷社長は、携帯通信事業を3大キャリア(NTTドコモ,KDDI,ソフトバンク)が独占して閉鎖的になっている現状を打破しようと果敢に挑戦しました。
楽天グループは、ネット販売から金融事業まで拡大させ、安定した業績を確保していたにもかかわらずチャレンジしました。
一部の報道では、これだけの赤字を計上しながら、まだ強気な姿勢を崩さないと批判的な意見があるようですが、三木谷社長は、まだまだこれからだという思いがあり、事業を成功させるという信念があるからこれからも邁進していくでしょう。
「成功するまでやり続ける」という気持ちで、これからも頑張って欲しいと思います。
最近では、連日のようにコロナの影響でダメージを負った企業が、回復しきれずに倒産するニュースが報じられています。コロナの時期に借りたお金を返済していくのは大ですが、ぜひとも中小企業の経営者も、三木谷社長のように諦めず粘り強く生き残って欲しいと願います。
西川 和志
税理士法人 森田経営
代表社員
昭和54年7月19日生
主な資格:税理士、弁護士