2009年10月09日
前回は税務調査の方法についてお話ししたので、今回は「税務署はどの様な基準で、調査をする会社を選定するのか」と言うことについてお話ししたいと思います。
調査会社は、原則として調査に行く担当者が選び、上司の許可を受けて調査する場合が多い様ですが、おおむね次の4つが考えられます。
(1)何と言っても、高額重点と言い、高額な納税をしている企業、すなわち多くの利益を上げている会社ほど、調査は多くなると思います。「内の会社は外に比べ、こんなに多くの税金を納めているのだから、調査は無いのでは」と思う社長さんがいますが、そうではありません。
(2)次に好況業種を国税局が指定して調査をする場合があります。過去には、理美容業、ゲームセンター、不動産仲介業、ラブホテル、パチンコ店等がありました。これらの業種に当てはまると、利益を上げていないお店や、小さいお店も調査対象になります。
(3)商売の取引は、必ず相手が在ります。税務署は「資料せん」という、膨大な取引の記録を入手しています。お金を支払った人がいれば、必ずそのお金を受け取った人がいるはずです。一方が支払っているのに、相手が受け取ってないということになれば、どちらかが間違っている訳で、調査の対象になります。
(4)また変化の激しい会社も調査対象になりやすいです。例えば、売上が大幅に増えたり、減ったりする会社、工場を新築したり、土地を購入したりして大幅な設備投資をしている会社です。
税務調査の対象になる会社は概して、急成長しているような、優秀な企業が多いような気がします。
西川 和志
税理士法人 森田経営
代表社員
昭和54年7月19日生
主な資格:税理士、弁護士