2025年04月17日

「コンフォートゾーンとラーニングゾーン」

”コンフォートゾーン”と”ラーニングゾーン”という言葉をご存知でしょうか。
コンフォートゾーンとは、その人が慣れていて安心して快適に過ごせる領域のことをいいます。
また、ラーニングゾーンとは、その人にとって経験がなかったり現在の能力を超えていたりする領域で、
新しい挑戦をしたり、新たな学びを得る領域のことをいいます。
 
自分が今まで慣れ親しんだ領域、自分にとって物事が上手く進められる領域、想定外のことが起きない領域、
こういった心配のない領域で過ごすことは快適なことです。
しかし、このコンフォートゾーンだけで過ごしていると、成長が得られにくいですし、新たな物事に挑戦しようという積極的な気持ちも失ってしまうかもしれません。
特に、現在のように、変化の激しい時代、将来を見通しがたい時代においては、コンフォートゾーンにいるだけでは、時代に取り残されてしまうかもしれません。
新たな領域、未知の領域へのチャレンジ。こうした積極性こそが、今の時代に求められるものだと思います。
 
ただ、新たな領域にチャレンジするといっても、いきなり大きなことをやり始めるというのも上手く行かないかもしれません。
そこで、コンフォートゾーンから出て、ラーニングゾーンに入ることに慣れるため、日常的にできることをご紹介します。
 (1) いつものテレビ番組、YouTube動画ばかり見ず、新しい番組・動画を見る。
 (2) 外食の際、新しい店に行ったり、食べたことのない料理を注文する。
 (3) これまで読んだことのない著書の本を読む。
 (4) 好きなジャンルではないジャンルの映画を観る。
 (5) カラオケで、今まで歌ったことのない歌に挑戦する。
 (6) 服装や靴など身につけるもののタイプを変える。
などです。
 
どうでしょうか。これぐらいなら簡単だと思えるのではないでしょうか。
とにかく、今までに経験したことのない初めてのことで、自分にとってハードルの低いことから気軽に初めて見るのが良いと思います。
簡単なことの積み重ねで挑戦することになれていくと、徐々に大きな挑戦にも取り組もうという気持ちが芽生えてくると思います。
 
ちなみに、昨日の私の初めての挑戦は、「新商品のビールを飲む」でした。


2025年03月18日

「PM理論」

PM理論とは、経営者や管理職など組織のリーダーに求められる2つの側面に着目した理論です。
PMのうち「P」は、パフォーマンスという英語の頭文字を取ったもので、「目標達成機能」を意味します。
もう一つの「M」とはメインテナンスという英語の頭文字で、「組織維持機能」を意味します。
 
PM理論は、俗に「パパママ理論」とも呼ばれています。
「パパ(P)」のような厳しい父性と、「ママ(M)」のような優しい母性というイメージをもって貰うと、
この理論が分かりやすくなると思います。
 
PM理論では、このPとMの強弱により
 (1)P機能もM機能も強い「PM型」
 (2)P機能は強いがM機能は弱い「Pm型」
 (3)P機能は弱いがM機能が強い「pM型」
 (4)P機能もM機能も弱い「pm型」 の4つにリーダーを分類します。
 
このうち、P機能もM機能も強い(1)「PM型」が理想であることはいうまでもありません。
ただし、多くのリーダーは、その人の元々の資質としては、P機能かM機能どちらかが強くどちらかが弱い、(2)「Pm型」か(3)「pM型」であることが多いといえます。
(2)「Pm型」の場合、組織を力強く引っ張っていくことに長けていますが、一方で、内部への配慮に乏しく組織がギスギスするかもしれません。
一方の「(3)pM型」の場合、組織内の円滑な関係を築くことには長けていますが、一方で、組織として成果を上げていく力に乏しく、組織が伸び悩むということがあるかもしれません。
したがって、(2)「Pm型」の人も(3)「pM型」の人も、自分の強い側面を生かしつつ、弱い方の機能を意識的に強化して、(1)「PM型」を目指していくことが必要となります。
またPもMも弱い(4)「pm型」の人であれば、努力してPもMも強くしていかなければならないでしょう。
 
会社の創業者の方は、自分でゼロから組織を立ち上げるのですから、P機能が強い(2)「Pm型」の人が多いように思います。
また、後継者の人には、P機能が強い人もM機能が強い人もいるでしょうが、「守成は創業より難し」という言葉からしても、M機能が強いことが有利に働く場面も少なくないと思います。
 
私としては、このPM理論は、リーダーの立場にある人、あるいは将来リーダーの立場に立とうとする人たちが、自分自身を見つめるための手段として使うのが、良い使い方だと考えています。
つまり、自分は、P機能が強いのかM機能が強いのかを考え、強い機能をさらに伸ばしつつ、弱い方の機能はより一層自覚的に伸ばしていくことが必要であり、それによって、理想である(1)「PM型」に到達することができると思います。
 
「PM理論」を意識することは、リーダーとしての自分を成長させるきっかけとなるのではないでしょうか。
 


2025年02月20日

「経営は継栄」 CoCo壱番屋創業者の名言

先日、CoCo壱番屋の創業者である宗次德二さんの講演会に行ってきました。
宗次さんは、1978年(昭和53年)にCoCo壱番屋を創業し、日本最大のカレーチェーン店に育て上げた方です。
講演では、ユーモアにあふれた、飾らない語り口で、宗次さんの経営に関する考え方や人生観を話されていました。
 
講演の中で、宗次さんが強調されていたのは、「接客第一」の姿勢でした。
宗次さんは、来店してくださるお客様を拍手でお迎えしたいくらいの気持ちで接客していた
ただ、さすがに本当に拍手でお出迎えしたらお客様もびっくりするだろうから
「笑顔で迎えて心で拍手」の気持ちでお出迎えしていたと話されていました。
 
また、適正な利益を出すことが健全な経営のために大切であるということを強調されていました。
バブル崩壊後の不景気でチェーン店の飲食店が軒並み値下げ競争に走ったときも
CoCo壱番屋では値下げをすることなく、接客面の向上等で業績を向上させたとのことです。
 
そして、今回のブログのタイトルとさせていただきましたが
宗次さんは、経営は、一時的に上手く行くだけではダメで、「継続的に繁栄」しなければならないものだと言います。
とにかくお客様に喜んでいただく、お客様にも社員にも全ての人に対して感謝の気持ちを持って働く
そうすることで右肩上がりの経営を行っていくことができる、このように話されていたのが印象に残りました。
 
ブログの分量の関係で割愛いたしますが、他にもためになるお話がたくさんありました。
講演会のお話に感銘を受けて、さっそく宗次さんの「経営の達人」という日めくりカレンダーを購入しました。
今年から弊社の事務所に掛け、その日の言葉を、日々の心がけとしています。
宗次さんは、現在講演を様々な機会に行われているようですので、皆様も機会がありましたら
一度宗次さんのお話を聞きに行かれてはいかがでしょうか。
間違いなく経営のヒントが得られるものと思います。
 


2025年01月10日

「日に新た」

明けましておめでとうございます。
この一年が皆様にとって幸多い年となりますよう祈念いたします。
 
さて、皆様「日に新た」という言葉をご存知でしょうか。
古代中国の殷王朝の創始者である湯王(とうおう)が、座右の銘としていた言葉とされています。
原文は「まことに日に新たなり、日に日に新たにして、また日に新たなり」というものです。
言葉の連なり自体が、躍動感をもって迫ってくるように感じます。
松下幸之助や土光敏夫、渋沢栄一といった経営者も、この言葉を好んで良く用いていました。
 
昨日よりも今日はより良くなろう。明日はさらに成長しよう。より良く会社を発展させていこう。
日々新たな気持ちで、新たな日を迎えたい。
このような、すがすがしい気持ち、がんばろうという気持ちにさせてくれる言葉です。
これから始まる1年を「日に新た」の心構えで過ごしていきたいと思います。
 


2024年12月10日

「中小企業」は減少しているのか?

一般的に「日本の中小企業の数は、毎年減少している」と思われているのではないかと思います。
 
この点、総務省の【経済センサス調査】によると、日本の「中小企業」の全体の数は
 2012年(平成24年)  約385万社
 2014年(平成26年)  約380万社
 2016年(平成28年)  約357万社
 2021年(令和3年)    約336万社
となっています。
これを見ると、確かに、年々、中小企業が減少しているように見えます。
 
ただ、「中小企業」の中から個人事業者を除いた、「中小企業のうちの会社数」の数は
 2012年(平成24年)  約167万社
 2014年(平成26年)  約171万社
 2016年(平成28年)  約159万社
 2021年(令和3年)    約174万社
となっています。
これを見ると、会社形態の中小企業の数は、約10年間で、約7万社と若干増加していることが分かります。
 
さらに、国税庁の【会社標本調査】によると、資本金1億円以下の「中小法人」の数は
 2012年(平成24年)  約251万社
 2014年(平成26年)  約259万社
 2016年(平成28年)  約264万社
 2021年(令和3年)    約284万社
となっています。
こちらの調査によると、「中小法人」は、約10年間で、約33万社増加しています。
国税庁の調査結果を見ると、会社数はむしろ大幅な増加傾向にあるとさえ言ってよいように思えます。
 
また、総務省の調査の「中小企業のうちの会社数」と国税庁の調査の「中小法人」では、
約100万社の違いがあります。
 
なぜ調査ごとでこのように大きな開きがあるかについてですが、2つの調査の定義の違いに理由があります。
【経済センサス調査】では、「中小企業」について、一定の場所を占めて、従業者と設備を有し、
継続的に事業活動を行っている企業と定義しています。
簡単に言うと、昭和の時代からあるような「普通の会社」をイメージしてもらうと良いと思います。
一方、国税庁の【会社標本調査】では、シンプルに、「法人税の申告書を提出した法人」全てをカウントしています。
 
2つの調査からは、典型的な普通の会社とは異なる、多様なかたちの起業が行われていることが窺われます。
事業形態や事業内容も多様化するなかで、【経済センサス調査】の定義では、「中小企業」を狭く捉えすぎているのかもしれません。
 




 西川 和志 
税理士法人 森田経営
代表社員

昭和54年7月19日生
主な資格:税理士、弁護士

西川 和志
税理士法人 森田経営
代表社員

昭和54年7月19日生
主な資格:税理士、弁護士


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