2017年11月10日
平成27年1月以降に発生した相続について、今までは相続財産が少なくて相続税がかからないと思っていた方でも、金額に応じて相続税がかかる可能性がでてきました。
具体的には、亡くなった方(被相続人)に相続財産(現金預金・土地建物・上場株式等)が一定額以上あれば、亡くなってから原則10ヶ月以内に税務署に申告する必要があります。
一定額とは相続税の基礎控除額と言われ、3,000万円+(600万円×相続人の数)の算式で計算されます。相続人が妻と子供2人であれば、相続人3人となり、上記の算式で計算すると基礎控除額は4,800万円となります。
先日サラリーマンであった夫が亡くなり、相続人が妻と子供2人の家に税務署が調査に入りました。奥様は、相続税の知識も余り無く、申告はしていませんでした。
税務署が調査した結果、老後の為の現金預金が4,000万円近くあり、自宅の土地建物や、証券会社に株式等を少し預けており、それらを合計すると、基礎控除額の4,800万円を超えるため、相続税を申告・納付する事になりました。
最近では、上記の様に、サラリーマン家庭で、一見資産家とは思われない方でも、税務署の調査が入り相続税の申告・納付をさせられる場合があります。罰金を支払うことになる可能性もあるので気を付けなければなりませんね。
2017年02月10日
平成28年2月9日付のこの「社長のブログ」は「税務調査の方法」という題で書かせて頂きました。
今回はその4つの税務調査の方法のうちの「国税局が行う事後調査」について書かせて頂きます。
税務調査の方法のうちの「国税局が行う事後調査」は当社のお客様の中でも年間で1~2件はあります。
この調査は、通常事前の連絡も無く、突然国税局の調査官が6名程度来ます。全員が国税局の調査官であることは少なく、国税局の下部組織である税務署の調査官と合同で調査する場合が多いです。
調査は私の経験からすると、初日が月曜日であることが圧倒的に多いので、月曜日は要注意です。
この調査は、事前に国税局で調査対象の個人や法人を調査して、脱税や不正の事実を確認している場合が殆どです。金額的にも不正金額が数百万円から数千万円に及ぶことが多いですが、中には億単位の場合もあります。
不正内容は様々ですが、売上計上漏れや仕入や外注等の架空計上が比較的多いように感じます。
調査官が必ず行うことは、現金出納帳と実際の現金との突合です。現金出納帳が書いて無い場合や合わない場合が多いので、現金出納帳の残高と実際の現金は必ず毎日合わせる様にしましょう。その他個人や会社の金庫の中や事務机や集金用のカバンの中を見ることも多くあります。
不正を行った場合、不正金額より、追徴税の方が大きくなる場合も有ります。
節税はしなくては成りませんが、脱税は割が合わないのでやめましょう。
2016年03月08日
今は個人(所得税)の確定申告の時期です。
個人で主に事業を行っている人は1月~12月までの1年分の儲けを計算して、翌年の3月15日までに税務署に申告します。また、前年に110万円を超える贈与を受けた人や、土地や建物等の不動産を売却して利益を得た人も申告する必要が有ります。例年ですと土地等の売買の申告が多く有るのですが、今年は極端に少ない様な気がします。また金額も少額の様です。
3月に入ると私は、ほぼ毎日個人の決算書や申告書をチェックして居ます。その際、最近3年分の損益計算書を必ず比較する様にしています。(税務署も調査する前に3年程度比較します)。そうすると傾向として、儲かっている人は益々儲かる傾向にあり、衰退している人は段々と衰退していく傾向に有ります。
以前は業種により儲かる業種と儲からない業種があり、儲かる業種に属して居る人は儲かり、儲からない業種に属して居る人は儲からない傾向に有りました。国税局もそのことを把握して、儲かっている事業を行っている業種を指定してその人を重点的に税務調査する事がありました。
今では、業種には余り関係が無く、経営者が経営に真剣に取り組み、努力している人の事業が儲かり、そうで無い人が衰退しているように思われます。
2016年02月09日
通常の法人(法人税等)や個人(所得税等)に対する税務調査には、おおむね次の4つの方法があります。
1.税務署が行う事後調査
中小企業を対象とする私共税理士が担当する税務調査の立ち会いの約95%はこの税務署(碧南・高浜・刈谷・安城・知立の各市の場合は刈谷税務署) が調査を行います。
この場合、事前に調査の連絡が有るのが通常ですが希に連絡なしで突然調査官が来る場合があります。この場合私の経験では、圧倒的に月曜日が多いです。
この調査の場合は、実際に調査官が来るのは、個人の場合は通常1日、法人の場合は2日~3日です。
2.税務署が行う特別調査
特別調査は、通常特調と呼び、税務署の中でもベテランの「国税特別調査官」が担当して、比較的規模の大きい企業等が対象になります。調査期間も通常1週間位で、3人~5人位の調査官が来ます。場合に依っては1ヶ月~2ヶ月掛かる場合も有ります。
3.国税局が行う事後調査
この調査方法は、事前の連絡もなしで、突然国税局の調査官が、7名前後で来るケースです。私もこのケースは年に1回~2回程度経験していますが、突然の出来事で大変です。国税局は税務署の上の組織で、全国に11ヶ所程度あります。中部地方は名古屋国税局が管轄しております。
4.国税局が行う強制調査(査察)
この調査は脱税を犯した、犯罪者を摘発する強制調査で、事前に裁判所よりの査察令状(逮捕令状に等しい)により行われるもので、テレビや新聞で報道されるものです。
この調査方法は前に「マルサの女」で映画になった事もあります。私も税理士を40年間して居ますが、1回しか経験がありません。
2015年03月09日
今は個人の所得税の確定申告の時期です。
所得税の確定申告は、原則として1月~12月の1年分の所得を計算して翌年の3月15日までに所轄の税務署へ申告するものです。所得には、事業所得、給与所得、譲渡所得等10種類ありますが、ここでは事業所得についてお話しします。
この時期、私は個人で事業をしているお客様の決算書を毎日数件チェックしています。最近感じる決算書の特徴等についてお話ししたいと思います。
以前は業種によって儲かる業種、儲からない業種がありました。年によってもその傾向があり、国税局も毎年好況の業種を決めて、その業種を徹底的に調査する方法を取っていました。例えば、前年美容業が好況であったとすると、今年の好況業種を美容業と定め小さい美容業も含めて税務調査を行うという手法です。
しかし、最近は業種によっても儲けは様々です。例えば、接骨院では売上が5百万前後の先生が多くいらっしゃいますが、1千万を超える先生も少なくはありません。中には一人で2千万を超える先生もいらっしゃいます。そして、いつも思うことですが、5百万の先生の売上は毎年同じような数字となり、2千万を超える先生は毎年2千万を超えています。5百万の先生が翌年2千万になることはありません。
私は、事業で売上を増やし利益も増やす、増収増益にするためのポイントは「お客さんの要求を満たす」ことだと思っています。
西川 和志
税理士法人 森田経営
代表社員
昭和54年7月19日生
主な資格:税理士、弁護士