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株式会社森田経営 社長ブログ


2025年12月29日

「脚下照顧」

今年も1年が終わろうとしています。
1年の終わりに、この1年を振り返ってみると、今年も様々なことがあったように思います。

今年1月の社長ブログでは、「日に新た」という松下幸之助さんが好んで用いた言葉に触れました。
今、1年が終わるにあたり、「脚下照顧」という言葉で、今年の1年を締めくくりたいと思います。

「脚下照顧」とは、自分の足下をよく見よ、という意味の禅宗の言葉です。

松下幸之助さんは、『続・道をひらく』(PHP出版)でこの言葉を引用して、
「この際、家をきちんとし、周囲を整え、姿を正し、心を定めて、お互いの繁栄のために、
我、何をすべきかを、静かに考えてみたいものである。」と結びました。

松下幸之助さんが良く口にされていた「自己反省」という言葉にも通じる言葉だと感じます。
 
1年の終わりに、自分の足下をよく見つめ直し、自らを省みたいと思います。


2025年11月25日

塩野七生『ギリシア人の物語』雑感

小説家の塩野七生さんといえば『ローマ人の物語』(新潮文庫)が代表作ですが、『ギリシア人の物語』(新潮文庫)という作品も書かれています。
この『ギリシア人の物語』では、(1)ポリス連合による「ペルシア戦争」の勝利による古代ギリシア世界の最盛期の到来、(2)二大強国であるアテネとスパルタによる「ペロポネソス戦争」の結果としてのアテネの凋落と、勝利したはずのスパルタの速やかな衰退、(3)マケドニアのアレクサンドロスの東方遠征による大帝国の形成とその瓦解、などが描かれています。
 
特に印象的だったのが、ペルシア戦争後に、偉大なる指導者であるペリクレスの下で、民主政を有効に機能させ、全盛期を迎えたはずのアテネが、そのペリクレスの死後、わずかな期間で、スパルタに完膚なきまでに敗北してしまい、しかもその後二度と国家として立ち直れなかったという、余りに落差の大きな凋落振りでした。
 
ペロポネソス戦争の敗因として最も大きなものは、スパルタとの戦争中であるにもかかわらず、スパルタとは何の関係もないイタリア南部のシチリア島へ無謀ともいうべき大遠征を行い、その上、戦略・戦術双方の拙さから大敗北を喫し、兵力・戦力の大部分を失ってしまったことでした。
後世の人間の目からは、なんと余計なことをしたものかと思います。
ペロポネソス戦争開戦当時、経済力も含めた総合的な国力において、アテネは、スパルタを大きく上回っていたのであり、スパルタが誇る最強戦士団との正面決戦を避け、防御と持久戦に徹してさえいれば、特別なことをせずとも、アテネは最終的に勝利していたものと思われます。
 
そうであるのに、シチリア遠征のような悪手を打って自滅してしまったのはなぜだったのでしょうか。私は、ペリクレスというリーダーが余りに優秀で有能すぎたために、後の時代のリーダーとなるべき人材が育っていなかった上、アテネ市民もペリクレスに依存しすぎていたため自分たちで冷静に物事を考える能力や姿勢を失っていたことに大きな原因があるのではないかと思います。
 
古代アテネの繁栄と没落は、国家あるいは組織において、重要な判断は感情に流されず冷静かつ長期的見通しのもとになされるべきであることを教えてくれるものと思います。


2025年10月30日

『稲盛和夫の実学 経営と会計』を読む

京セラの創業者である稲盛和夫さんは、非常に多くの著作を遺されました。
稲盛さんの代表作としては、『生き方』(サンマーク出版)を挙げる人が多いと思います。
私も『生き方』は稲盛さんの考え方が集約された大変良い本だと思いますが、私は、稲盛さんの著作の中で最も読むべき本は『稲盛和夫の実学 経営と会計』(日経ビジネス人文庫)だと考えています。
 
『実学』の序章は、創業初期の京セラにおいて、経理・会計の素人である若き日の稲盛さんが、外部から招聘したベテラン経理部長に対して会計上の疑問をぶつける場面から始まります。
稲盛さんの疑問に対して、会計のプロである経理部長は、会計の教科書的観点から説明を行いますが、稲盛さんは通り一遍の説明には納得せず、何年にもわたって疑問を追及していきます。
遂に経理部長は、稲盛さんの指摘が会計の本質を突いていることに気が付き、以後稲盛さんの会計についての考え方に沿って京セラの会計システムを整え、京セラの驚異的な成長を支えていくことになります。
 
このエピソードを始めとして、『実学』を読むと、次から次へと数字に対する稲盛さんの厳しさを示す考え方やエピソードが語られていきます。
稲盛さんと言えば、心の正しさや人としての生き方を大切にする経営者というイメージがありますが、それは稲盛さんの半面あるいは表の顔であり、私としては、この『実学』を読んで、数字に対する徹底的な厳しさや物事に対する一切の妥協の無さが稲盛さんの本質だと感じました。
 
『実学』は、1998年(平成10年)の出版ですが、その内容は古びるどころか、むしろデフレが収束しインフレの時代に再突入した現在の日本でこそ、より一層経営者に対して、どのような考えに立って経営を行うべきかの正しい指針を示してくれるものだと思います。
ぜひ『稲盛和夫の実学 経営と会計』をお読み頂くことをお勧めします。


2025年09月29日

「不器用さについて」

皆さんは、自分を器用な人間だと思いますか、不器用な人間だと思いますか。
不器用であるよりも器用な方がよい、要領が悪いよりも要領が良い方がよい。一般的には、そう思われていると思います。
しかし、私は不器用なことや要領の悪いことは、長い目で見れば決して悪いことではないと考えています。
 
経営コンサルタントの小宮一慶さんは、『「一流」の仕事』(日経ビジネス人文庫)でこのように語っています。
「一流になる人は、不器用な人が多いと思います。一人前になるのに時間がかかるので、
自分が人よりも優れていないことを若い頃に認識します。
そういう人ほど、一人前になってからもコツコツと努力を続けます。
不器用で時間がかかって一人前になった人は、早い時期に一人前になって満足している人をどこかで抜き去って、さらに努力を続けている間に一流になるのでしょう。」
 
また、元中日ドランゴンズ監督の落合博満さんは、『采配』(ダイヤモンド社)で、このように語っています。
「どんな仕事でも、ひとつの技術を身につけていく作業は地味で、相当の根気も必要になる。
技術を身につける際、習得するスピードが速いと、「センスがある」と評されるこことがある。
ただ、これは昔から指導者の悩みの種と言われているのだが、飲み込みの早い人は忘れるのも早いことが多い。
一方、内心でいらだつくらい飲み込みの悪い選手ほど、一度身につけた技術を安定して発揮し続ける傾向が強い。
彼らの取組みを見ていると、自分でつかみかけたり、アドバイスされた技術を忘れてはいけないと、何度も何度も反復練習している。
自分は不器用だと自覚している人ほど、しっかりと復習するものなのかもしれない。
技術事に関しては、飲み込みの早さが必ずしも高い習得率にはつながらない。
だからこそ、じっくりと復習することが大切というのが私の持論だ。」
 
このように、お二人とも、経営コンサルタントと野球監督という異なる立場から、努力や反復練習を積み重ねることの大切さを説かれています。
不器用な人間が、自らの不器用さを自覚し、その不器用さと向かい合い、たゆまず、努力を積み重ねる先に、真の実力が身につく。
不器用であることは悪くない、そのように私は思います。


2025年08月29日

経営者塾

私は、今年から、経営者の塾に2つ入りました。
 1つは、様々な業界の中小企業経営者が集まる塾で、
 もう1つは、税理士事務所の経営者が集まる塾です。
そこで新たに多くの方と知り合うことができています。
 
経営者には、自ら創業した経営者と、後継した経営者とがいます。
2つの経営塾にも、創業経営者、後継経営者のどちらの方もいます。
創業経営者の方からは、ゼロから一を立ち上げるエネルギーを感じますし、後継経営者の方からは、事業を継ぐことの苦労をものともしないヴァイタリティを感じます。
2つの経営塾には、様々な個性を持った方たちが集まっていて、私も参加するたびに大いに刺激を受けています。
 
創業経営者と後継経営者については、この2者を対比させて論じる風潮もあります(そういった書籍も多くあります)。
しかし、私自身が経営者になって最近思うことは、結局、創業者であろうと後継者であろうと、経営者である以上、行うべきことは何ら変わりはないということです。
より良い商品・サービスを提供してお客様に貢献する、自社の売上・利益をあげていく、社員に同業他社に負けない給与を支給する、そして、自社をより良くより強い組織にしていく。
そのために、会社の方針を決定し、その都度その都度経営判断を繰り返していく。
この点で創業者と後継者で何ら違いはありません。
 
今回、経営者塾に入り、多くの経営者の方と知り合って刺激を受けました。
経営者として成長していき、経営者としての務めを果たしていきたいと思います。




 西川 和志 
税理士法人 森田経営
代表社員

昭和54年7月19日生
主な資格:税理士、弁護士

西川 和志
税理士法人 森田経営
代表社員

昭和54年7月19日生
主な資格:税理士、弁護士


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